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特許実務com Patented!!

社畜だけども弁理士試験挑戦中。2015年4月-6月はアメリカ特許実務研修中

アメリカ特許、Non-Final Office Actionに対する応答について

http://www.flickr.com/photos/86013963@N00/27659322
photo by gwilmore

米国の特許制度において、審査官から提示される拒絶理由通知とは以下の2種類があります。
 ★Non-Final Office Action (最初の拒絶理由通知)
 ★Final Office Action (最後の拒絶理由通知)

このブログ記事では、Non-Final Office Action(最初の拒絶理由通知)について解説していきたいと思います。

そもそも、Non-final Office Action(最初の拒絶理由通知)とは、原則として出願人に新しい拒絶理由を提示するときに出されます。つまり、2度同じ内容の拒絶理由通知を受けると、Final-Office Action(最後の拒絶理由)となります。


出願人によって、USPTOに特許出願がなされると、審査官がその先行技術に関連する先行技術の調査を開始します。審査官は、先行技術を検討し、クレームに記載された発明が特許として出願人に独占的権利を与えるに値しない場合、その理由及びその理由の根拠とした引用文献を提示したOffice Action(拒絶理由通知)を発行します。


このOffice Actionに対して、出願人は補正や意見書の提出、時には審査官と直接口頭で説明するなどをして、クレームに記載した発明が特許として認められるべきである旨を主張し、審査官にそのことを認めさせるように反論しなければなりません。

(1)Non-Office Actionの概要

審査官は、クレームに記載された発明が、法定の主題および二重特許(101条)、新規性(102条)、非自明性(103条)、開示要件または記載要件(112条)、新規事項の追加(132条)などの特許として認められるべき要件を満たしてないと判断した場合、出願人に対して、Non-Final Office Actionを発行します。

出願人は、拒絶理由通知が審査官から通知されると、その内容を検討し、その内容に不服がある場合には、原則として3カ月以内に補正や意見書を提出し、応答しなければなりません。


この3カ月は出願人の希望と手数料を支払えば最長3カ月間延長することができます。また、出願人に与えられる期間としては、あくまで原則3カ月であり、審査官によって最大6カ月、最短で30日と法律で決まっています。審査では原則として短縮法期間として、審査官によって3カ月間を指定されることが一般的です。この期間内になんら応答しなければ、出願人はその出願を放棄したものとして扱われます。

期間の延長を希望するときは、指定期間の経過後に補正書や意見書を提出すときに、追加の延長手数料を添えて応答期間の延長する旨の請願書を提出します。つまり、出願人は、Non-Office Actionに対する応答期間が徒過してしまったとしても、応答期間内に延長を請願しなくても後出しで延長手続きを行うことができるのです。

(2)補正書(amendments)の提出

出願人は、Non-Office Actionに提示された拒絶理由を回避するために、クレームを補正するために補正書(Amendments)を提出することが許されています。

①補正できる範囲

出願人がクレームを補正できる範囲は、新規事項(New issue)であることは認められず、出願時に提出された明細書および図面に記載されている範囲によって裏づけられた構成要件に限り補正をすることができます。

出願人がクレームを補正したことによって、出願当初には請求していなかった(従属クレームにも記載していなかった)主題(発明)を、審査過程で特許として請求したいクレームとして追加することも認められています。これを俗に「Late claim(遅れてからクレーム)」と呼ばれます。したがって、出願人はNon-Office Actionに提示された引用文献や、自ら調査した先行技術や競争他社の研究開発状況を考慮して、必要に応じて出願当初のクレーム全体を書き換えたり、新しいクレームを追加することもできます。

Non-Final Office Actionに対する応答では、補正の範囲は、新規事項とはならない限り、クレームを拡張する補正も認められます。したがって、出願後においても、先行技術が許す限り、クレームを広くすることができ、権利行使を想定して、より最終製品に近いクレームに書き換えることも可能になります。


Final Office Actionに対する応答では、さらに補正の範囲は制限されます。明細書に記載されていたとしても、クレームには記載されていない事項を新たにクレームに追加することは認められません。そのため、Non-Final
Office Actionに対する補正では、それ以降の審査において、Final Office Actionが通知され、補正の範囲がクレームにのみに制限される場合も想定して、のちに追加したいと思われるであろう構成要件については、それをも含む補正を検討しなければなりません。


また、限定要求/選択要求に対する応答において、選択しなかった範囲にサポートされている構成要件や限定を追加する補正は認められません。限定要求/選択要求を行う意図の一つとして、審査官が出願人に複数の発明の主題から一つの発明の主題に絞り込むように要求することであるため、当然、出願人が選択しなかった主題は係属している発明の主題と異なることを出願人が自認したことになるからです。主題のシフトチェンジは認められず、それでも主題のシフトチェンジを希望する場合は分割出願かあるいは継続出願をしなければなりません。

②補正の形式

補正の形式は、規則1.121に従って行わなければなりません。Non-Office Actionに提示された拒絶理由に対する補正は、クレームのみを補正することが一般的です。審査官から、特別に補正や差し替えを要求していない場合を除き、クレーム以外の明細書や図面は補正しないのが一般的です。クレームを補正したからといって、abstractまでクレームの補正に合わせて補正するというようなことは通常はしません。


クレームの補正は、クレーム全体を差し替えなければなりません。補正したクレームは、補正箇所を示した形式と、補正箇所を示さない形式の2通を提出します。変更箇所は、補正箇所に下線を引き、削除したい部分には取り消し線を明記します。出願時のクレームから一部補正しているクレームには、冒頭にカッコ書きの(Currently amended)を付けて、出願当時から新しく追加したクレームには冒頭に(new)を付けます。また、出願時に提出したクレームから補正を行っていないクレームについては(Original)を付け、クレーム自体を削除する場合には、(Canceled)を冒頭に付けます。


クレーム以外の明細書および要約の補正するときは、段落ごとに削除、置換、追加するか、明細書全体を差し替えます。ただし、補正箇所についてはクレームと同様に下線で示した写しを添付しなければなりません。

③禁反言の注意

補正によって、クレームに記載された発明の範囲を減縮した場合には禁反言(File History
estoppels)が生じてしまいます。禁反言とは、審査過程において出願人が放棄した発明に対しては、再度権利を主張することができない、ということです。


禁反言についてはまた別の記事で詳しく説明したいと思いますので、この記事では詳しい説明は避けますが、禁反言は均等論の適用を妨げてしまいます。したがって、権利行使の際に均等論を主張するためにも、補正による減縮は最小限に留めなければなりません。そのため、出願時のクレームがいたずらに広すぎると、たくさんの部分で減縮補正を行わなければならず、均等論による権利範囲を拡大解釈させることができなくなります。


Non-Final Office Actionに対する応答では、補正の範囲は、クレームを拡張する補正も認められます。したがって、出願後においても、先行技術が許す限り、クレームを広くすることができ、権利行使を想定して、より最終製品に近いクレームを追加することも可能になります。

(3)意見書(Remark)の提出

一般的に、Non-Final Office Action、Final Office Actionに対する応答には、補正書(amendments)だけでは足らず、合わせて意見書(Remark)を提出します。意見書(Remark)では、審査官がクレームの記載の解釈やその発明の特許性について誤認している場合はその旨を指摘したり、補正したクレームが引用文献との差異を説明し、を説明し、審査官が納得できるようにクレームに記載した発明が特許性を有することを説明します。


意見書に記載する内容を検討するに先だって、まず引用文献の開示された日付を確認します。引用文献が開示された日付が出願人の有効出願日よりも先であって、新規性等の欠如の根拠として妥当であるかを確認しなければなりません。もし、審査官が拒絶理由の根拠として提示した文献が不当な文献であったときは、その旨を意見書で指摘すると、きっとその拒絶理由通知を撤回されることになるでしょう。


また、出願人は補正書と意見書は1つの書面として作成することが一般的です。、最初に補正書をつくり、次に意見書を作成します。特許庁への応答は明瞭かつ簡潔に心がけます。審査官の誤認があれば、それは簡潔に記載できるものであるし、長文でだらだらと周りくどい主張はかえって審査官の心象を悪化させてしまいます。審査官の判断を間違えさせるために、わざわざ長くだらだらと記載しているものと邪推されてしまわないようにするためにも、意見書は必要最低限に簡潔にまとめる努力も必要です。



特に、意見書の冒頭では、出願人の発明を審査官が理解できるよう簡潔に説明しおくことが望ましいとされます。この冒頭の記述は、特許査定を導き出すための有効な方法です。冒頭では、補正した内容と、その補正の根拠と特許性が認められます、ということを記載します。その後、なぜ、特許性が認められるのかというと・・・といった感じに続かせます。


さらに、クレームの記載を補正した場合には、その補正が認めるべき理由を書き加え、その補正によってどのような新たな特徴が加わったのか、その特徴に対してどのような効果が得られるのかを強調しておくことが好ましいです。


続いて、審査官が指摘した拒絶理由ごとに一つずつの反論をしていきます。その時に、意見書の中でも審査官の拒絶理由について、復唱でもいいので、意見書の中に書いておいた方がよいです。審査官が提示された拒絶理由の意図を出願人も理解していることを示すためです。また、すべての拒絶理由に対して応答していなければなならず、意見書において反論していない拒絶理由があれば、それは出願人がその拒絶理由について自認したとみなされてしまいます。


なお、それぞれの拒絶理由に対する反論のパターンについては、それぞれの以下の記事を参照して頂きたいと思います。
patentjitsumu.hatenablog.com
patentjitsumu.hatenablog.com
patentjitsumu.hatenablog.com
patentjitsumu.hatenablog.com

(4)規則1.130による宣誓供述書の提出

宣誓供述書(affidavit)とは、宣誓供述者が作成し、専門家などの公証人による公証を受けた書類です。


宣誓供述書に代えて、宣誓書を提出することができる。宣誓書(declaration)は、宣誓者が作成し、公証を受けていない書類のことです。宣誓供述書の供述は公証人の公証が必要になりますが、出願人や発明者が日本人であるときは公証が必要のない宣誓書を用いるのが通例です。


ただし、宣誓書に虚偽の陳述をしたときは当然罰せられ、その特許出願も無効にされ、権利行使することができなくなってしまうので、宣誓をする者は全ての陳述が真実である旨を宣誓書の中に述べなければなりません。


規則1.130(a)(1)の宣誓書は、拒絶が依拠している開示よりも前にされた発明者または共同開発者による開示を立証する目的で使用されます。具体的には、発明者等による先の開示の日付と内容を立証するために使用されます。


また、規則1.130(a)(2)の宣誓書は、引用された先行技術が冒認者による開示であることを立証する目的で使用されます。具体的には、宣誓書に記載された発明者こそが、その発明の真の発明者であり、その発明は発明者または共同発明者が他人に伝達し、伝達された他人が開示してしまったことを立証します。


なお、拒絶理由の根拠として引用された先行技術であって、他の発明者が記名されている米国特許または米国特許公報に開示されているクレームが、審査を受けている特許出願のクレームと同一、または実質的に同一である場合は、特許庁は出願人に冒認手続の請願を提出するよう求めることもあります。


また、旧法の規則1.130の宣誓書は、改正された規則1.131に移行しており、現行も先発明を立証するための手続きとして存続しています。規則1.131による宣誓書は、Office Actionで引用された先行文献が開示された日付よりも発明が先に完成していた旨を証明するために提出されます。提出すべき証拠は、実験ノート、実験ノートの複写、スケッチ、青写真、模型、証人によって裏付けられた事実の開示になります。

(5)規則1.132による宣誓書の提出

Non Office Actionに対して、規則1.132による宣誓書は、拒絶理由を克服するための事実を審査官に提出する手段になります。一般的には、103条の非自明性に関する拒絶理由に対する反論を補強する証拠として提出します。宣誓書としては、比較実験の結果、発明の予期せぬ効果、商業的成功、長期間未解決であった課題、専門家の懐疑的意見などを提出することができます。

103条の非自明性の拒絶を克服するために、規則1.132による宣誓書としてクレームに記載された発明と、それに最も近い先行技術(拒絶理由の根拠として提示された先行文献)との比較実験の結果を提出すると有効な手段です。


また、出願当初の明細書に記載されていないが、その出願当初尾明細書記載されていた発明の特有の効果を立証するための証拠も規則1.132の宣誓書として提出することができます。その発明が特許性を備えているか否かの判断にあたり、証拠も含めてすべての記録が考慮されるべきだからです。


また、商業的成功を示す証拠を提出するとき、出願人は、クレームに記載された発明と商業的成功した製品等が事実上十分に関連性を有することを立証しなければなりません。製品の構成とクレームの記載内容を一つ一つ一致するのか、検討を要します。


商業的成功は、クレームの広さに比例した程度のものが要求されます。それはつまり、例えば、自動販売機の熱可塑性カップの商標的成功は、熱可逆性の容器の意について記載したクレームについて非自明性の立証することにはなりません。なぜ、熱可逆性の容器がどのように商業的成功に寄与しているのかで、それが発明の効果と一致していないといけません。また、商業的成功は別にアメリカに限らず、アメリカ以外の国での商業的成功も考慮されます。


長い間未解決であった課題を立証するときは、発明を完成させる以前にその課題が当業者に認識されていなければならなりません。当業者がその課題に気付いていなければ、課題の解決が期待されていたことは言えないからです。また、その課題は、発明完成以前には未解決のままであって、出願人が完成させた発明によって、ついに解決されたことを示さなければなりません。


宣誓書では、冒頭において、宣誓者の経歴と、立証したい事項、拒絶に対する見解などを述べます。続いて、宣誓者が立証する事実を詳細に述べる順番になります。

(6)インタビュー

審査官とのインタビューは、直接的な面談、電話、電話会議、またはEメールなどの形態で行われます。

①インタビューの準備

代理人と審査官のインタビューとはあくまで非公式な対談になります。つまり、面談した際に会話した内容は特別な理由がない限り、録音されず自由な討議を行うことができます。簡単な要件であれば、代理人がインタビューを電話やEメール済ますこともできます。また、審査官から代理人に対して、電話やEメールで問い合わせを行うこともあります。


複雑な内容であったり、議論を要する内容であるときは、直接的な面談を行うことが好ましいです。例えば、クレームに記載された内容を再現するプロトタイプや、既に販売されている商品の中で、審査に係属している発明がどのように使われているのかを交え説明することもできます。


インタビューに臨む前に、特許弁護士または発明者は、あらかじめ争点をEメールなどで審査官に伝えることが望ましいでしょう。こうすれば、審査官側でも十分な準備をすることができるからです。

②インタビューのメリット

インタビューのメリットは、第1に、代理人と審査官との対話の中で、現在拒絶されているクレームをどのように補正すれば特許として認められるのかいう争点について、審査官の意見を引き出すことができることです。審査官から聞き出した補正案について「仮の特許査定」を得ることができる場合もあります。


また、第2のメリットとして、出願人が審査官は技術的内容を誤解している感じたときは、審査官に直接権利化したいクレームを説明することにより理解を促すことができます。意見書の書面によって技術内容を説明するよりも、対話による説明の方がはるかに説得力を有することは言うまでもありません。


また、第3のメリットとしては、出願人あるいは代理人の発言が逐一記録されず、審査官がインタビュー終了後に簡易でほとんど形式的な記録を作成するだけに留まります。したがって、禁反言の証拠としても残りにくいことが挙げられます。

③インタビューを実施するタイミング

インタビューにより代理人と審査官とが個人的な面識を持つことにより、その後連絡を取りやすくなり、結果として審査を円滑に進めることができます。したがって、インタビューは、通例はNon-Office
Actionに対して応答する前のタイミングで実施することが好ましいと思います。


その理由は、Non-Office Actionに対する補正は補正が認められる範囲の制限も緩やかであり、審査官と補正案について様々なで議論ができるため、特許査定を得られる可能性が最も高いからです。インタビューで特許査定の見込みが得られたならば、代理人は審査官との合意に基づいた意見書および補正書を提出すればよいので、比較的に特許査定を得やすいのです。


ただし、インタビューにおいて、審査官がいったん特許査定の意思を示していたとしても、後で考え直し、最後の拒絶理由通知を送付してくる場合も当然あり得ます。


また、インタビューが可能か否かついては、審査官のパーソナリティに大いに依存していることを認識しておかなければなりせん。滅多に起こることはないと思いますが、審査官の都合が合わずに直接面談をすることができなくなる場合もあります。です。


なお、Final Office Actionが通知された後であっても、インタビューをすることは可能です。しかし、補正の制限が厳しいため出願人側の対応に一定の制約があることは念頭においておかなければなりません。

④インタビューの活用

インタビューを効果的に実施するためには、次のような前準備をすることができます。予め出願人が許容できるクレームの補正案をいくつか作成しておき、インタビューで審査官に提示し、複数の補正案について審査官の見解を求めることができます。


インタビューにおける対話の中で補正の方向性を手さぐりで求めるよりも、実際の補正案を見ながら対話した方が結論を得やすいでしょう。インタビューは概ね代理人が行うが、もちろん企業の知財部員や発明者も同席することができます。インタビューも特許性の判断も、審査官のパーソナルな部分に依存し、その心象形成も重要なファクターになります。そのため、日本から海を越えて遠路はるばるやってきた日本人が同席すれば、審査官に好印象を与えることもなり、その心象形成もいい方向に動くかもしれません。


せっかく審査官と顔を突き合わせるのですから、発明のアウトラインを示す図面やビデオ、あるいは見本などを持参して説明することもより効果的です。明細書が審査官にとって理解するのに難解だと感じていた場合であっても、見本などがあれば審査官の理解を助けるように働きかけることができます特に、日本語明細書を直訳した明細書を提出し、文章が冗長になってしまっている場合は、審査官が明細書を読み込んでいないこともよくあります。(大抵の審査官は図面によって発明を捉えます。)

クレームの補正案を審査官が受け入れないとする場合には、従属クレームや明細書に記載された特徴であって、審査官が特許を付与してもよいと許可する事項を探り当てるように、対話を続けることも重要になります。

(7)米国現地代理人への指示

出願人が日本人または日本企業である場合、Office Actionに対してどう応答するのか、日本から米国代理人に的確に指示を送らなければなりません。米国代理人を悩ます問題として、日本から送られている指示書がしばしば不明確であることと言われています。


米国代理人がよっぽど日本語に親しい代理人ではなければ、その指示は日本語で行うことができません。現在のところ、米国代理人とって、日本企業は良いお客さんになるのは間違いありませんが、米国の特許弁護士はまたは特許事務所では日本の指示書を翻訳できるスタッフを雇っていないのが一般的です。


たとえ、翻訳者がいたとしても、ごく少数であるため、通信文を日本語で送ることは不可能であると考えた方が良いでしょう。したがって、私たち日本企業から米国代理人への指示は明確でなければなりません。例えば、クレームをどう補正し、その補正サポートは明細書や図面のどこに記載されているのか、意見書でどのように反論を行うかを的確かつ明確に指示しなければなりません。


できれば、クレームをどう補正するかは、クライアントである日本企業からクレームに追加したい限定事項を特定して、それが記載されている明細書の箇所までを明示しなければいけません。


そうすることによって、米国代理人が応答の方針を的確に把握することができます。どのような反論を行うかについては、例えば、クレームに記載した発明と先行技術がどのように相違しているかを明細書の記載に基づいて正確に伝えなければなりません。


やはり、短すぎる指示書は米国代理人を困惑させるだけになります。例えば、「クレームの発明は、先行技術とAだけが異なる。」とだけ書いてあったのでは、出願人がどのような補正を望んでいるのか米国代理人は知ることができないし、どのような反論をすればよいのかもはっきりしないからです。米国代理人が説得力のある意見書を作成するのに十分な材料を提供しなければなりません。


また、不正確な英語の指示は避けなければなりません。やはり、クライント側の日本企業にも英語によるコミュニケーションの力が求められます。米国代理人への連絡が文法的な誤りを含んでいると、米国代理人が致命的な誤解を起こす可能性があります。


また、日本企業は応答したかったどうかを、応答後に確認すべきです。短すぎる指示や不正確な英語の指示を行うと、米国代理人が技術内容を誤解したまま、意見書を提出してしまっていることもあるので注意しなければなりません。