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社畜だけども弁理士試験挑戦中。2015年4月-6月はアメリカ特許実務研修中

アメリカ特許、Final Office Actionに対する応答について

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http://www.flickr.com/photos/21651009@N00/3409481688
photo by sachman75

Final Office Action(最後の拒絶理由通知)とは、原則としてNon-Final-Office Actionと同じ拒絶理由に基づく2回目の拒絶理由通知のことを指します。


出願人がNon-Final Office Action(最初の拒絶理由通知)に対して、補正書や意見書を提出し反論したが、それでも尚、拒絶理由が解消されなかったときは、2度目の拒絶理由通知として、Final Office Actionを受けることになります。

なお、Final Office Actionには、Non-Final Office Actionと区別するために、「THIS ACTION IS MADE FINAL」にチェックが入っています。

Final Office Actionと、Non-Final Office Actionの一番の違いは、出願人がその拒絶理由通知に対する補正の範囲です。Final Office Actionに対してもNon-Final Office Action同様、補正書と意見書を提出して反論することになりますが、その補正の範囲は、既にクレームに記載されている主題の範囲に限定されます。


それでは、Final Office Actionを受けた場合に、出願が取れる対応を説明していきたいと思います。

(1)「最後」の拒絶理由通知となる場合

原則としてNon-Final Office Actionに対する応答でも、その拒絶理由が解消されなかった場合に、2度目の拒絶理由通知を原則としてFinal Office Actionとします。ただし、2回目の拒絶理由通通知がFinal Office Action とならない場合が例外的ですがあります。

2度目の拒絶理由通知がFinal Office Actionとならない場合は、以下の場合が挙げられます。

★Non-Final Office Actionに提示した拒絶理由と異なる拒絶理由が発覚した場合
★適正な期間内に出願人により情報開示された先行文献に基づく拒絶理由が発覚した場合。


一度目の拒絶理由通知が「最後」となる場合として、以下のような場合がある。
★継続出願において、先の出願に記載されていたクレームと実質的に同一であって、かつ、先の出願と同じ先行技術を根拠とした拒絶理由を有する場合


Final Office Actionが通知されたとしても、Final Office Actionに値しない場合には、出願人は、その旨を審査官に反論することができます。この場合、大抵は電話によるインタビューで主張することができ、もし審査官が出願人の主張が妥当であると判断した場合には、Final Office Actionであることを撤回します。ただし、Finalであることが撤回されただけで、拒絶理由は依然として残り、応答期間もFinal Office Actionが通知されたときから計算され、延長することはありません。

(2)応答期間

Final Office Actionに対する応答期間も、Non-Final Office Actionに対する応答期間と同じ期間になります。つまり、出願人は、Final Office Actionを受けてから原則として、3カ月以内に応答しなければなりません。


この期間内に特許として許可される通知を受け取るか、あるいはRCE(継続審査)の手続きをしなければ、その出願は放棄されたものとして扱われることになります。


ただし、Non-Final Office Actionと同様に、延長するための手数料を支払うことで、最大3カ月まで延長することもできます。なお、Final Office Actionが通知されてから6カ月という法定期間は不変であり、これを超えて手続きを行うことはできません。

このアメリカの特許制度で、日本と大きく異なる点は、日本の場合、最後の拒絶理由通知に対する応答は応答期間内に意見書と補正書を提出さえすれば、その出願を放棄したとはみなされません。


しかし、アメリカでは、Final Office Actionを受けてから、応答期間内に意見書と補正書を提出したとしてもその出願が放棄されたものとして扱われる場合があります。Final Office Actionを受けた後、補正書および意見書を提出したとしても、許可通知が発行されないまま応答期限が過ぎてしまえば、その出願は自動的に放棄されたものとしてみなされます。

つまり、出願人は、Final Office Actionを受けてからの応答期間の間に補正書および意見書を提出し、かつ、その特許出願に対する最終処分を受け取らなければなりません。もし、特許として許可される旨の通知がなければ、出願人は自らの判断によって、RCEまたは審判請求、分割出願をするための手続きをしなければなりません。


ただし、Final Office Actionに対して補正書および意見書を提出した後では、応答期間の期限前にアドバイザリ通知が発行されることがあります。がこのアドバイザリ通知とは、Final Office Actionに対する応答であっても、その出願願が特許を受けられない状態であることを通達するだけのものに過ぎません。

したがって、アドバイザリ通知があったとしても、法定期間の起算日となることはありませんし、アドバイザリ通知に対しては出願人は反論する機会は与えられません。したがって、アドバイザリ通知に対して不服がある場合には、出願人はFinal Office Actionが通達された後の6カ月以内に、許可通知を受け取るか、RCEをしなければならないことになります。


そのため、Final Office Actionに対しては、なるべく早く応答しなければなりません。実務上でよく言われているのは、Final Office Actionの発送日から2カ月以内に応答しておくことが好ましいとされています。


Final Office Actionを受けて2カ月以内に応答すると、迅速に対応した出願人に考慮して、審査官は応答によって拒絶理由が解消しないときは、その旨を伝えるためのアドバイザリ通知を発行してくれます。アドバイザリ通知が早く受け取れることができ、結果として、出願人はその後の1カ月、手数料が別途かかりますが延長期間を含めると3カ月以上慎重に対応することができます。

一方で、法定期間の直前に、つまり、Final Office Actionが通達されてから6カ月が過ぎる直前に応答する場合、それは形式的に審判請求を行うことになります。審判を請求した日から2カ月の応答期間を得ることができ、その出願が放棄されたとみなされることを回避することができます。


この場合、審判を請求した日から2カ月以内に、審判請求理由補充書を提出しなければなりませんこの期間内に審査官が応答の内容を審査し、許可通知またはアドバイザリ通知を発送したときは、審判請求理由補正書は提出する必要がなくなります。さらに、この2カ月の期間は、手数料の支払いを支払うことで審判請求の日から最長7カ月まで延長することができます。

ただし、当然、延長する期間を確保することで、手数料の費用などが嵩むため、やはりFinal Office Actionにはなるべく早期に応答することが望ましいことに変わりはありません。

(3)補正書(Amendments)の提出

Final Office Actionに対しても補正書を提出し、特許として許可され得るクレームに補正することになります。ただし、Non-Final Office Actionに対する補正可能な範囲に比べて、その範囲が狭く、補正の自由度は下がってしまいます。

Non-Final Office Actionに対する補正できる範囲は以下のものに限定されます。
★クレームを削除する補正
★方式的な要件を満たすための補正
★RCE等の次の審査において、クレームをより特許されるべき形式にするための補正

つまり、Final Office Actionを受けてしまうと、出願人はクレームの範囲を拡張するような補正はすることができません。明細書や図面等の記載を根拠に補正したとしても審査官により却下されてしまうでしょう。


Final Office Actionとは、言い換えれば、審査官からこれ以上審査する必要する、出願人への最終通告になるわけなので、補正によって審査の対象が変わることがあってはならないためです。つまり、言い換えれば、新たに審査の対象が広がらないような補正であれば認められるということです。

それは、すなわち、Final Office Actionに対する補正は、審査に係属しているクレームであり、減縮できるのは従属クレームに記載されている内容に限ると考えて問題ありません。そのため、Non-Final Office Actionを受けた時点で限定されても差し当たりない範囲であれば、従属クレームにクレームアップしておいた方が良いと言えます。
Final Officeに対して、明細書の中の記載を根拠に補正して権利化した場合には、継続出願をするしかありません。つまり、Final Office Actionとなる前、Non Office Actionのタイミングで慎重に、かつ十分に補正案を検討する必要があります。*(4)意見書(Remarks)の提出、宣誓書の提出、インタビュー
Non-Office Actionに対する応答と同じように、意見書(Remarks)の提出、宣誓書の提出および審査官とのインタビューが可能になります。

ただし、宣誓書の提出することができる条件として、以下のいずれかの場合があります。
★Final Office Actionで通知された新しい拒絶理由を解消するためであること
★宣誓書が必要な理由およびNon-Final Office Actionの際に宣誓書を提出しなかった合理的な理由を示すこと

また、インタビューについては、Non-Final Office Actionとその準備や方法は変わりません。インタビューを行ったとしても、補正できる範囲が広がるわけではありません。

しかし、実際にはFinal Office Actionが通知された後にインタビューを行ったことで、Allowance(特許許可通知)が得られる場合も多く、インタビューにおいて補正の制限が満たされているか否か確認を行うこともできるので、活用することも一つの手であることは変わりありません。

(5)AFCP2.0プログラムの申請

AFCP(After Final Consideration Pilot)2.0プログラムとは、Final Office Actionに対する応答について、USPTOが試験的に行っている審査プログラムです。AFCP2.0プログラムが運用される前、従来ではFinal Office Actionに対する補正クレームが、それまでの審査の状況を照らし、特許として許可できるか否かを判断するだけに留まっていました。


しかし、AFCP2.0は、以下の条件であれば、RCEを行うことなく再審査を請求することができます。これは出願人にとっては、大きなメリットで、RCEを行うのであれば、高額な手続費用を支払う必要があったのに対して、RCEの手続きを踏まずとも一発逆転で特許査定を得られる可能性があります。


出願人がFinal Office Actionに対する応答と同時にAFCP2.0の申請を行うと、3時間という時間に限り、審査官は新たに補正したクレームについて審査をしてくれます。その結果、特許性が認められると判断された場合には、特許許可通知が発行されます。


補正の範囲も、従来のFinal Office Actionに対する補正の制限よりも、多少ではありますが厳格に規定されていないように思えます。その特に、従属クレームに挙げられていない構成であっても、5word程度とであれば、発明を明瞭にする目的として補正を認められる可能性があります。


しかし、審査官が実際に3時間再検討を行ったかどうか、実際に出願人には知る由もありません。実務的には、審査官が出願人が行った補正が明らかに3時間の検討時間を超えると判断した場合には、審査もされず、アドバイザリ通知を発行することが常であるように感じます。


  かといって、無料で再審査されるので、申請しない理由はないと思われます。このAFCP2.0プログラムは、また2016年9月30日まで延長されることが決まりました。また、今後のどのように改善されるのか、出願人とってメリットのある改善がなされることを期待したいと思います。

(6)応答後の審査

Final Office Actionの発行日から2カ月以内に応答されると、審査官は、応答により出願の審査を行い、次のいずれかを決定します。2カ月を過ぎて応答すると、アドバイザリが通知されない恐れもあるので注意が必要です。

★応答により特許できる状態になったときは、特許許可通知を発行。
★職権で方式的な不備を修正し、特許許可を発行。
★応答により特許できる状態にならなかったときは、アドバイザリ通知を発行。

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